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RIZAPグループの優待改悪についてのまとめ

投稿:2020/09/11 

「結果にコミットする」というキャッチフレーズで一躍有名になったRIZAPグループ。有名になった直後の業績はうなぎのぼりでしたが、積極的なM&Aが裏目となり経営を圧迫、2020年現在も赤字経営が続いています。

そんなRIZAPグループですが、株主優待には以前から力を入れていて、個人投資家に人気の銘柄となっていました。優待内容は「株主優待ポイントで商品と引き換える」というもので、好きな商品を選べたり、ポイントをくり越せる自由度が魅力でした。

しかし、この人気優待に実質的な改悪が入り、個人投資家を中心にネガティブな意見が寄せられました。 ということで、今回はその内容をざっくりとまとめてみます。

今回の優待改悪内容について

(1)改悪のアナウンスは無いに等しかった

RIZAPグループは2020年3月19日に「株主優待の継続実施に関するお知らせ」という適時開示を出しました。これによると2019年権利分については従来の優待内容でおこない、2020年権利分も「ポイント数の基準に変更はない」と書かれています。

ところが、最後の方に「消費増税及び物流費高騰の観点から、商品ごとの設定ポイントを若干引き上げせていただきます」ということが発表されていました。

「ほんの少しだけ商品交換にかかるポイント数が多くなるんだろうな」ということはわかりますが、それ以外に明確な数値もなく、かなり不透明な発表ともいえる状態でした。

(2)優待品の品数が減った

まずは品数ですが、優待品の品数が大幅に減りました。優待カタログのボリュームでいうと、2019年は30ページくらいありましたが、2020年は10ページほどとなっています。優待投資家の声をみても「カタログがペラペラ…」という意見がとても多くありました。

また、RIZAPグループの優待は専用Webサイトを使って申し込みをするのですが、このWebサイトの中にはカタログ未掲載品があることも有名でした。

ところが、いざフタを開けてWebサイトのラインナップを確認すると、カタログよりは充実しているものの従来より品数は少なく、さらにはすぐに在庫切れになるような事態となりました。

(3)実質的に価値が半減している

これはかんたんにいうと「2019年は1,000ポイントで引き換えできたものが、2020年は2,000ポイントかかるようになった」ということです。実際の例をいくつか挙げてみます。

  • エステナードLIFTY:
    19,000p29,000p
  • おいしいおてがるサプリメント コラーゲン&ヒアルロン酸:
    1,000p2,000p
  • どろあわわ:
    3,000p4,000p
  • 元源黒酢:
    2,000p3,000p

上記だけでなく、多くの優待品が実質的に高額な商品となってしまいました。

「設定ポイントを若干引き上げる」という言葉だけでは想像がつかない状態となり、優待投資家にとっては頭を抱える事態になったというわけです。

特にポイントをくり越した人にとっては「優待品が少なくなった」上、「これまでより多くのポイントが必要になってしまった」というダブルパンチをもらうハメになってしまいました…。

このように、今回の事態はRIZAPグループの苦しい実情が優待内容に表れてしまったと言えるでしょう。

株主優待ポイントは、自分で商品を選べる便利さがある反面、その会社の判断で交換レートや品物が変わってしまうデメリットも存在することが明らかになりました。

優待廃止もそうですが、こういった優待の改悪は経営状況が悪化している企業にありがちなものです。

おいしい優待内容ばかりに目を向けるのではなく、「その会社の経営状況を常に把握して備えておく」という基本を、改めて認識させてくれる一件だったかなと感じます。

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