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権利確定日の前に空売りしたら儲かるのではないでしょうか?

権利確定日を過ぎると、株価が下がると聞きました。では「権利確定日の前に空売り」をしたら儲かるのではないでしょうか?

空売りとは、株価が下がりそうな会社の株を先に売っておき、株価が下がったところで買い戻して利益を出す投資です。権利確定日後は、株価が下がりやすいのは事実ですが、残念ながら権利確定日に空売りをしたからといってかんたんに儲けられるわけではありません。

権利確定日の前に空売りをする場合には、以下のような点に注意が必要です。

(1)一般信用による空売りは在庫切れが発生する

信用取引には、2つの種類があります。一つは金融商品取引所が一定基準で選んだ銘柄で取引できる「制度信用取引」。もう一つは、証券会社が独自に選んだ銘柄で取引できる「一般信用取引」です。

このうち「一般信用取引」には、空売りできる枚数に限りがあります。そのため、好きな銘柄を自由に空売りできるわけではなく、在庫の残っている銘柄から選ばなければなりません。

特に、権利確定日付近では、株主優待のクロス取引(現物株の買いと信用取引での売りを同時に行い値下がりリスクを回避して優待を取得する仕組み)をする投資家が増えるので、株の売り切れによって信用銘柄は空売りできないことがあります。

(2)制度信用取引での空売りは逆日歩に注意

一方の「制度信用取引」は、在庫切れになることはありませんので、金融商品取引所が空売りを認めている貸借銘柄に関しては、自由に空売りすることができます。

しかし、制度信用取引で株を空売りする人が増え、株が品薄状態になった場合、証券会社は大株主である機関投資家などに株を借りる必要があります。そのとき「逆日歩」とよばれる手数料が発生します。仮に、1株あたり10円の逆日歩がついてしまうと100株で1000円の手数料を投資家が余計に支払わなければならないのです。

特に今回の質問にある権利確定日の前は、空売りをする人が増えます。空売りする人が増えるほど逆日歩の金額も高くなりますし、どのくらい逆日歩が発生するのかはその日の取引が終わらないとわからないといった恐さもあります。

権利確定日の前に空売りでは、逆日歩がどの程度かかるのかわからない点に、十分注意してください。

(3)空売りにかかるコスト

空売りでは逆日歩以外にも、「貸株料」や「配当落調整金」など現物取引では発生しないコストが発生します。

「貸株料」とは、信用取引をする場合にかかる株のレンタル料で、信用取引の金額に応じて発生します。また「配当落調整金」の支払いも必要です。配当の権利確定日の翌営業日(配当落ち)は配当をもらえる権利を失いますので配当額分株価も下がります。株価を下げることで、権利日前の株価と整合性をとっているのです。

この配当落ちを利用して空売りしたら配当額分儲かるようにも見えますが、実際は「配当落調整金」を差し引かれてしまいますので儲けることはできません。そのため、たとえ空売りで利益が出たとしても、支払うコストのほうが高くついてしまう可能性もあるのです。

そもそも、権利落ち日だからといって必ず株価が下がる保証はありません。空売りで支払うコストを考えると、権利確定日の前の空売りは、あまりおすすめできる投資ではありません。

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この記事を書いた人

スミレ(投資ブロガー)

株式投資歴6年の主婦投資家です。これまでの経験を活かして、株式投資の悩みや疑問を分かりやすく解説します!

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